黄土砂や輪郭もはっきりとした死体や
あるいは宮殿の車


太古の時間のなかに燃えあがり
立ちはだかる要塞を横切って突進する
からからに乾き洗いおとされた砂漠の大地。
繊細な優雅さの
格子黄色のなかに
保蔵されている美と名誉。

     ほの暗い廊下の
     記憶を過ぎてゆく
     宮殿の車、
     また輪郭もはっきりとした死体の
     髪の毛の上に
     黄土砂のきらめく
     別の列車。

          すやすやと子どもたちは
          深く眠り。
          それでも従わなければならない
          数多くの些細な追跡と
          大きな楽しみがある。

               そして私は依然として醒めている。

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